中古住宅の住宅ローンの予備知識

2021年10月20日

中古住宅でも住宅ローンは利用しやすい

中古住宅の購入を取り巻く環境はこの数年で大きくかわってきましたが、
今後の数年で更に大きく変わっていくことが予想されています(間違いなく大きくかわります)。
それは、中古住宅の売買件数の増加という結果として現れてくるでしょう。
これに関連して、中古住宅の住宅ローン(融資)にも変化が訪れつつあります。
ここでは、購入資金やリフォーム資金の融資について紹介します。

 

中古住宅の購入資金の融資

以前は新築住宅を買いたいものの、予算的に難しい人が中古住宅を購入するということが多かったのですが、
最近では初めから中古住宅を購入したいという人も随分と増えました。
中古住宅の購入においても新築と同様に住宅ローンを利用する人が多く、
融資条件も新築と比べてそう変わりありません。
融資する銀行などの金融機関は、以前は新築住宅への融資には積極だったものの、
中古住宅に対しては物件評価が厳しく、融資に非積極的な印象を受けたものですが、
今ではそのようなこともありません。
購入時点で建物価格が大きく値下がることの多い新築住宅よりも、
実は価格が下がってからある程度は安定している中古住宅の方が担保として見ても有利なはずです。
とにかく、今では新築と同じように中古住宅でも住宅ローンは大変利用しやすくなっているのです。

 

リフォームローンも充実してきた

中古住宅を購入する人は、買ってすぐにリフォーム工事をする人が多いです。
引渡しを受けてから入居するまでの間にリフォームするのですが、
その工事内容は、壁クロスの張替えだけの工事費にして数十万円程度の投資という人もいれば、
キッチンやユニットバスの交換などをして200万程度を投資する人もいます。
もちろん、リフォーム内容によっては間取りの変更を伴うような工事までする人もいて、
300万円や400万円もかけることもあります。そうなれば、
リフォーム費用の全額を自己資金で賄えない人も多いのは当然ですね。
そこで役立つのがリフォームローンです。物件の購入資金については住宅ローンを利用して、
リフォーム工事費についてはリフォームローンを利用するのです。
このリフォームローンに対して、金融機関は長く非積極的でした。
中古住宅への融資そのものも積極的とは言えない状況だった時代では、
当然のことかもしれません。しかし、時代は変わってきており、
今ではリフォームローンのニーズの大きさ、中古住宅売買およびリフォーム市場の伸び予測を踏まえて、
金融機関もよく融資するようになっているのです。
不動産仲介業者のなかには、今でも昔のイメージでリフォームローンは難しいと考えている人がいますが、
実際にはそうでもありません。仮に不動産仲介業者から否定的なコメントが出たとしてもあきらめず、
自分で銀行へ行って相談するとよいでしょう。

 

築20年超の中古物件ならローン控除に要注意

住宅ローンを利用して新築住宅を購入すれば、住宅ローン控除というメリットを受けられます。
執筆時点での制度では、所得税について10年間で最大400万円の減税を受けられるというものです
(長期優良住宅等の認定住宅なら500万円)。
この減税は中古住宅も対象となりますが、条件があります。
木造や軽量鉄骨造の中古住宅ならば築20年以下であること、
鉄筋コンクリート造や鉄骨造(軽量鉄骨造を除く)ならば築25年以下であることという条件です。
この築年数を超える場合でも以下の条件を満たすことでローン控除の対象となりえます。

 

・耐震基準適合証明書を取得する
・既存住宅瑕疵保険の保険付保証明書を取得する
・住宅性能評価書(耐震等級が1以上)を取得する

このうち、住宅性能評価書で条件をクリアするケースはほとんど見たことがないですが、
耐震基準適合証明書や保険付保証明書を取得できる物件はいくつも見てきました。
不動産会社と相談しつつ、これらのいずれかの取得を目指すとよいでしょう。

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